2009年6月15日

THE21 「灼熱」 4:大戦略

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さて、いよいよ大戦略だ。

大事なコトはもちろん「生き残ること」
そして前提としては「救援隊到着まで20日以上の可能性」

最寄りのオアシスまでは40kmあり、日中は40℃で砂嵐、夜はマイナス10℃という状況だ。
日中何もせずにいれば、数時間で熱中症になり、命を落とすだろう。

さて、動く(move)べきか、動かざる(stay)べきか。
それが大戦略として決めるべきコトだ。それによって、優先すべきアイテムは、大きく異なるはずだ。

但し、ここでもう二つの事実を。
一つは、もしオアシスへのmoveに成功しても、それは必ずしも「生き残る」を保証しない、ということだ。
オアシスには水と緑があるだけで、必ずしも食料があるわけではない。

もう一つは、moveにせよstayにせよ、最終的に救助隊に発見してもらうことがゴールであるということから、見つけてもらう(found)が重要である、ということだ。
かつ、砂漠の真ん中で、ヒトを見つけるのは必ずしも容易なことではない。


どうだろう。
大戦略としても、単純にstay or moveではないこと。
さまざまなオプションがあることが分かっただろうか。

まずはそこから考えてみよう。

2009年6月14日

THE21 「灼熱」 3:大事なコト(続)

重要思考の最上位である「大事なコト」。それは前提であり価値観であった。
前提として「時間(Time Frame)」と「スキルセット」がある。

時間に関しては、外部からの救援は20日以上掛かる可能性が高い、であった。

「スキルセット」はどうだろうか?
これはまさに解答者のレベルによる。全くの砂漠素人からサバイバルのプロまで居るだろう。
ここでは通常の体力・知力だと仮定する。

では、「価値観」は?
このサバイバル作戦で、ヒトは何を望むだろうか。もちろん日本人なら多くが素直に「生き残ること」と言うだろう。
でもアングロサクソン系なら多くが「自分の人生を自分で切り拓くこと」と答えるかも知れない。つまり、救援など待たない、という姿勢だ。

更に「生き残る」にもいろいろな状態があり得る。
「ハイリスクハイリターン」でいくのか、「ローリスクローリターン」か。それとも中庸か。

これらはまた、大戦略を考え、議論するときに戻ってくることとしよう。

2009年6月12日

THE21 「灼熱」 2:大事なコト

『重要思考』は、まず「大事なコト」から。

そこから「大戦略」「効用・中目標」「手段・ツール」へと進む。
なのでまずは「大事なコト」が定まらないと、話にならない。

一般には、前提や価値観、を大事なコトと置いている。
会社ならビジョンや経営目標、といったものだろう。

ここでは、前提として、さまざまな状況が設定されているが、サバイバルという意味で、特に重要なのは、時間とスキルセット、だ。
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状況を整理すると、
・場所はタクラマカン砂漠
・日中50℃+砂嵐、夜はマイナス10℃の可能性
・最寄りのオアシスは南南東に40km
・その先は不明

だが、時間に関して考えるとまず
・旅程はあと20日分残っている
・遭難は外部に知られていない
ことから、外部からの救援は20日以上掛かる可能性が高い。

そして、超短期で言えば
・もうすぐ夜

ということでもある。
これは大戦略がどうあろうと、外部の救援に接するまでに、この酷暑酷寒を20日以上生き延びなくてはならないことを示している。

では、この状況下で、大戦略にはどういったものがあるだろうか?
いや、その前にもう一つの前提であるスキルセットは?そして、価値観は?

これらはまた明日。

2009年6月11日

新コンテンツ「ほめる」と「灼熱」一挙公開

決める力』の根幹をなす『重要思考』
その研修材料として、よく使っているのが本でも紹介した「サバイバル」ケースだ。

普段は「墜落」「沈没」の2つを使っているが、その応用編として作ったのが、「灼熱」である。
・砂漠で遭難。燃える車の中から取り出しうる12アイテム。どう優先順位をつける!?

この問題については、これから数日を掛けて解説をして行く。

もう一つ公開は「ほめる」
重要思考の応用練習として、田園調布雙葉高校での「情報論」授業用に作ったものだ。

まずはモノ(iPod)をほめる。そして、次はヒトを、ほめる。
ほめる極意、そして、主張(ケンカでもディベートでもない)の極意、を体得するためのワークショップ教材だ。

ブログと合わせて、ご覧あれ。

THE21 「灼熱」 1:問題の解説

さて今日から「灼熱」の解説を始めよう。
desertTHE21.jpg(『THE21』 2009年7月号より)

そもそもこういった「サバイバル」ケースは、「コンセンサスゲーム」として開発されたものだ。
合意形成の難しさと方法、そして価値を学ぶためのものだ。

なので、通常は
・個人でやり、答え(優先順位)を出し
・チームでディスカッションして答えを出し
・正解と比較することで、個人得点、チーム得点を算出する
という手順を取る。

面白いことにほとんどの場合、チーム得点の平均は、個人得点の平均を大きく上回る。
これが、コンセンサスの価値、だ。三人寄れば文殊の智慧、は正しい。

同時に、コンセンサス形成の難しさも、参加者は体験することになる。
大抵のチームが制限時間内に議論をまとめられない。
議論が散漫で結局、声の大きいヒトの意見に合わせただけ。
そんな現象があちこちで起こる。

研修ではそこから、合意形成のテクニックという話に進んでいくのだが、実はそれでは足りない。
意思決定のフレームワークが揃っていなければ、そもそも議論にならないからだ。
正しい議論なき合意は、空しい。

そのフレームワークこそが「重要思考」、 大事なコトから、大戦略、効用・中目標、手段・ツール、の3段階で考えるというものなのだ。

さあ、この「灼熱」を、重要思考で解いてみよう。
大事なコトは何だろう、大戦略は?アイテムたちは何の役に立つのだろう(効用)?そして、大戦略実現のために、どの効用を上位とするのか!


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