2010年04月28日

三女の涙と34年ぶりの納得

学校公開ウイークで、中一の三女が苦手にしている数学の授業参観を見てきてもらった。

正負の数字の、加算と減算についての授業だったらしい。

そこで、彼女一人が最後まで課題が解けずにいた。

そして授業後、一人 泣いていた、と。


少人数クラスでもあり、先生たちの教え方やフォローの仕方自体に問題があるわけでは無い。普通の教え方をし、個別に様子も見てくれる。

帰ってから本人に、何がうまくできなかったのか聞いたところ、根本的なところの納得がいっていなかったようだった。

例えば、

・5-(-3)だと、-と-を両方取って+にしろ、と言う
・じゃあ、5+(+3)だと、+と+を両方取って、どうするのか。なぜ+なのか?
・(-3)+3だと、先頭だから括弧は取って良いという。括弧って取ったり付けたり、なんなんだ?

いちいちそういうことがよく分かんなくて、でも言われたとおりにやろうとして、考え込み…


でもその話を聞いて、初めて気がついた。

演算子である「+」「-」と、数字の正負を表す記号である「+」「-」が、全く同じであることのおかしさを。

社会に出ると、負の符号が△であったりもする。
なのになぜ、一般の数学は、数学らしからぬ、こんな混同を許したのだろう。
せめて演算子のときはタス、ヒクとのみ読ませるとかなかったもんかねぇ。


以下、三女向けに考えた、説明。

演算子としての「+」はタス君。この子は正の向きに歩いて行く。
何歩歩くかは、その後ろの数字が決める。正だったらそのまま、負だったら後ろ向きに。

だから
 ・ +3だったら、正の方向に3歩。
 ・ +(-3)だったら、正の方を向きながらも、後ろに3歩!

演算子としての「-」はヒク君。この子は負の向きに歩いて行く。
 ・ -3だったら、負の向きに3歩。
 ・ -(-3)だったら、負の向きを向きながら、後ろ、つまり正の方へ3歩。

よって、
+(-3)と-3は同じ。+3と-(-3)は同じ。


明日、これで伝えてみよう。

こんなことを考えていると、きっとただの計算ドリルはスゴく遅くなる。
でもね、それはそれで素晴らしい。

演算子としての+-と、数字の正負号である+-の混同に違和感を覚えるなんて、なんて素晴らしいこと。
そのままでもいい。負けるな、ガンバレ!


そして、私自身、中学1年のときの違和感が、今やっと解けた。
ありがとう。