2010年07月25日

「修羅場」に関しての一考察

その一: 修羅場を作らぬよう努力せよ 


コンサルタントの整理術』の中でさんざん書いたのは、 
・〆切り間際の火事場のバカヂカラなど信ずるな 
・それより早めに手をつけて、ジワジワ進めよ 
ということだった。 

早めに手をつけることで、良いことはいっぱいある。 
生産性も上がるし、リスクも減る。 

もちろん精神衛生上も、よい。 
気の弱い(私のような)ヒトにはこれ以上の効用はない。 



その二: 修羅場でこそヒトは育つ 


一方、人材育成的側面を考えたとき、修羅場には大きなマイナスと共に、大きな効用がある。 
マイナスはもちろん、気力体力の摩滅だ。 
修羅場が続けば、退職率は跳ね上がるし、傷病者も続出する。 

しかし、ヒトは失敗の中でこそ多くを学ぶ。 
私が遭遇した人生最初の修羅場は学生時代の大失恋だったが、たしかにそれは私を大きく成長させた。 
まあ、それはともかく、社会人としてのそれは、2年目冬のプロジェクトだった。 

考えても調べても、分からない。 
どう解決して良いのかの糸口すら。 

苦しみ抜いた6ヶ月間を通して、私は「問題発見と解決へのアプローチ」を探し続けた。 

成功プロジェクトでは定義によりアプローチは一つ。 
でも失敗のお陰で、それをいっぱいいっぱい自分のものにすることが出来た。 

挫折と紙一重の、大きな学びの機会だった。 



その三: 修羅場で笑えなきゃ、プロじゃない 


これはもちろん、日産自動車 テストドライバー 加藤博義さんの言葉である。 
全くその通りである。 

その余裕無くして、プロとは言えない。 
出来ないなんて、簡単に言っちゃいけない。 
極限でこそ、アマとちがう、プロの力が試される。 


私のスキーは基本、高速系である。 
フラットな急斜面を、高速ターン3回で駆け下っていくのがスキだ。 
もちろんスピードは、限界ギリギリ。 

いや、限界内じゃ、意味がない。限界を超えたところにこそスリルと成長がある。 
転ばないスキーなんてスキーじゃない。 


急斜面に、加速しながら前傾姿勢で突っ込んでいく、あのゾクゾク感。 
自分の限界と接しながら、思わず、笑い声が出る。 

あ、加藤博義さんの「笑い」とはちょっとずれた。 



でも、実は一緒かな。