2013年02月03日

選択についての一考察

シーナ・アイエンガーさんの『選択の科学』が売れたこともあり、最近世の中は「選択」ブームである。


・死ぬことより生き残る事を選択せよ。
・辛く生きるより楽しく生きることを選択せよ。

でもそこには2重のウソがある。

「選択(Choice)」というと、意思決定の問題に聞こえる。
心で決めればいいのだと。そこには「簡単だ」というニュアンスが潜んでいる。
そうではない。

選択肢そのものが、そんな簡単ではないのだ。

ダイエットを始めるということは、「肥満」か「通常体型」か、の選択ではない。
肥満のままでいるか、頑張ってダイエットをするか、の選択である。

多くの場合、選択肢は「現状維持」か「改革」かの選択であるのだから、これはただの意思決定の問題ではなく、そのあと続く努力や活動を含んだ上での決定であるのだ。

もちろん、それを決める上で、最終ゴールやビジョンは大切である。
それ(の一つ)が「通常体型」なのだが、それはただ選ぶというものではなく、そこへの改革(ダイエット努力)の道程を前提としており、当然それは簡単な意思決定ではない。

ああ、ただそれが困難だからこそ、最終ゴールを見定めることが必須なのだ。
「肥満」の先に待っているものが、どれだけの健康リスクか、「喫煙」がどれだけ寿命を短くするのか、「過干渉」がどれだけ子どもの生きる力を阻害するのか。
そんなリスク・リターンを明確にした上で、選択肢を描き出そう

「美味しいものをお腹いっぱい食べて、肥満のままで60歳から病気がち」
「食事制限と運動を10年以上継続して、標準体型に戻して75歳まで健康」
か。

それが本当の選択肢だ。リスクとリターン、努力と投資、心と体。
選択する、とは、そんな多面的な意思決定の作業なのだ。

その意思決定の力を、大人に。そして、子どもたちに!