2013年08月30日

小学1年生。この稀少で偉大なる可能性たち

先日、小学低学年向け授業と、高学年向け授業を1日の午前午後で行いました。

一般論で言えば、やりやすいのは高学年。低学年は、コントロールが簡単ではありません。下手をすると「おしゃべりしない~」「ちゃんと聴いて!」と叫び続けることになります。

でも、今回は違った側面が強く見えました。
・行動も考えも発言も自由奔放で発想向きの低学年
・抑制が効きすぎて動けず発想が硬い高学年
です。

これまでも芦花小学校や、関口台町小で、1年生中心の授業やワークショップをやってきました。
今回も低学年は7割が1年生で、その子たちはぜんぶ女の子でした。
授業がはじまる前から、女の子たちは大騒ぎ。その前日に初めて出会った子たちがほとんどだというのに、もう完全に「お友だち」です。「○○ちゃん、今日も席いっしょだね~」

すぐに私のところにも何人かが寄ってきます。隠してある小道具たちを見つけては「これな~に?」「きょうは何するの~?」「早くはじめようよ~」
道具を触っちゃダメと言うと、もちろん触りたがります。触っては私に追いかけられて、きゃあきゃあ言いながら逃げていき、また触りに来ます。

ひとり、お仕置きにこちょこちょすると、別の子が寄ってきて「私にもこちょこちょして~」
その子をこちょこちょしていると、次の子が来て…。

いきなり体力勝負です。

発想力授業は120分もある長~いものでしたが、ほとんどの子どもたちが集中を切らさず、取り組みました。
そして何より、どんどん考え、チャレンジする姿勢が素晴らしい。
プロジェクタースクリーン上の丸太の長さを「ハカる」ときも、そうでした。

どうやったら、2つの丸太の長さを比べられる?どっちが大きいか、どうしたらわかる?
の問いに、すぐ声が上がります。「じょうぎではかる!」
じゃあ、やってみよう!と振ると、得意満面、定規を持って前に出てきます。

背が低すぎて、上の丸太にはまったく手が届かないというのに…。
困っていたので私が持ち上げて、助けてあげました。

残念ながら、定規が小さすぎてダメでした。うまく測れません。

定規じゃ測れないね、どうしようか?と問うとまた1年生が叫びます。
「もっと大きいものでハカる!」
大きいものは、何があるかな?

「ボクのふでばこ大きいよ!」
「この紙ではかろう」
「2枚くっつけたら大きくなる!」
どんどん、アイデアが出てきます。

一つ一つ試していって、ついに2つの丸太の長さを測定することに成功しました。
大盛り上がりの10分間でした。

午後、同じものを、4年生主体の高学年向けにやりました。
どうやったら、2本の丸太、どっちが長いかわかるかな?

しーーーん、としています。
しばらくすると「ハカればいいけど、定規が小さすぎるからできない」と。
そんなのやってみなきゃわかんないよ~。

じゃあ定規以外で測ってみよう、と水を向けるとまたもや、しーーん。
「なに使えばいいかわからないよ
そんなのいろいろ試してみれば良いじゃない~。

いわゆる頭の良い、科学への関心度の高い高学年チームでしたが、「座って悩まず動いて考える」力は1年生に完敗でした。
その中でも、一番動けていたのはたったひとり女の子だったでしょうか。
いっぱい手を動かして、足を動かして、話して、頭を使っていました。

発想力の最大の敵は、知識です。
「知ってる」と思ってしまう心です。
なんでも「当たり前」と思う「あと知恵」バイアスが、ヒトを発見や探究から遠ざけます。

この1年生(女子)たちが、このまますくすく育ちますように。
その動く力・話す力を失わず、心を大きく育てていけますように。
がんばれよ~~~。

高学年の子どもたちも授業の後半、結構良くなってきました。
少しずつ、動けるようになっていったのです。っぱり練習次第なのです。
最後のアンケートに6年生の男の子がこう書きました。

・自分の身の回りにこんなにふしぎがあるんだと思いました。それなら、まだ誰も見つけたことのないふしぎを見つけようと思いました。

期待してるよ!!!

その他、参加者のアンケートから
・ほんとうは私は、べんきょうがむずかしいとおもっていましたが、べんきょうになったと思います。またよろしくおねがいします。(小1女子)
・「くうきってどのくらいおもいんだろう?」とおもっていたけど、たいけいんしてみてすごくたのしかったです。(小1女子)
・体で感じたり、比べたり、はかったり、いろいろなことを学んだ!(小4女子)