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2019年5月12日

麻布中のコーヒー問題について

本日創刊の朝日新聞エデュア(EduA)。8頁のタブロイド判ですが、特集は「2020 学びが変わる」でした。麹町中の工藤校長がその筆頭を飾っています。さすが。

3面には、今年出された麻布中の「コーヒー問題」が紹介されています。(朝日新聞エデュアが原文を再構成したもの)

麻布中のコーヒー問題1.jpg

麻布中のコーヒー問題2.jpg
〔出所:朝日新聞エデュア(2019.05.12、3面)より抜粋〕

もちろんまずは自分で考えてみてください。
麻布中を目指す小6男子(中高一貫の男子校なので)に挑戦です!

さて、この問題には日能研による解説があり、「必要な力は情報を読み取って仮説をつくり、論証する力」などと書いてあります。これではよくわかりません。仮説がどうのというより、

・未知のモノ(コーヒーやその特殊な焙煎機)やその動作をイメージする力

なのでしょう。いったい回転ドラムに豆を入れたらどうなるのでしょう?
その上で、既存の知識や経験と結びつけて解答しよう、と説いています。

そして日能研の解答例は「むらなく均一に焙煎できる」でした。

10点満点で6点!かなぁ(笑)

そもそも設問には「金網とコンロを用いる場合に比べて」とあります。回転ドラム式をイメージするだけでなく、金網コンロ式もイメージしないとその差(利点)がわかりません。そして「むらなく均一に」って、なにがどう均一なのでしょう?イマイチ曖昧です。

焙煎とはコーヒー豆を適度に熱する行為です。「焙煎度合いに応じて味は大きく変化する」と問題文にあるので、もちろんむらなく温まって欲しいのでしょう。
でもむらには2レベルあります。豆単体でのむら、と豆全体でのむらです。

豆単体:豆の表は温まったが、裏は温まらなかった、とか
豆全体:豆100個のうち80個は温まったが、20個は不十分もしくは過剰、とか

そして、金網コンロ式だとコーヒー豆の温まり方(特に豆単体?)にむらができ易く、回転ドラム式だと全体が混ざりやすく、個々の豆も上下左右万遍なく熱せられるのでしょう。
もしかしたら、豆が温まるのはヒーターの熱に直接当たるからではなく、下部の豆が出す水蒸気で全体が温まったりするのかもしれません。ますます平面状の金網コンロ式より回転ドラム式が良さそうです。

そして何よりそれが「簡単に達成できる」ことが現実には大切です。きっと達人であれば金網コンロ式でも完璧な焙煎ができるでしょう。でも回転ドラム式なら一定速度で回すだけでOKです。

つまり私の解答は「焙煎は豆単体や豆全体でむらがあると味が調わなくなってしまいます。しかし回転ドラム式であれば金網コンロ式に比べて、ベテランでなくとも誰でも、むらのない均一な焙煎ができます」です。

他にも「コーヒー豆の仕上がり」ではありませんが、

・作業スペースが小さく邪魔にならない
・一度に多くの豆が煎れる

など(金網コンロ式に比べての)利点は多くありそうです。

この問題、日能研は「入試改革の唱える『主体的で深い学び』を体現している」ものだと言っています。きっとその通りなのでしょう。そしてそれは、単純な「知識やパターン認識」ではない、「ものごとの本質を捉え、想像する力」です。発見と探究力とも言えるでしょう。

この問題に挑める力を、さてどう育てますか?

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