三谷家で、ロッシと言えば?
ロッシ。メッシじゃないですよ。
そう、それはもちろんGPライダーのバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi)
間違いなく史上最高のライダーで、太陽王とすら称される。
バイク界の最高峰クラスで7度の世界チャンピオンとなり、通算勝利数も100を超える。
陽気で職人なイタリア人は、わが家の娘たちにもかなり人気である。
私はケーブルテレビのG+で、世界選手権全戦を全クラス観戦している。
毎回、延べ約4時間。
録画なので飛ばすときもあるが、大体は食事中とかにつけっぱなしにして、全部見る。
125cc、Moto2、MotoGPと、3レースだ。
なので娘たちも
バレンティーノ・ロッシとか、ホルヘ・ロレンソとかダニィ・ペドロサとかの名前を言えたりする。
長身で攻撃的で髪の毛パンクのマルコ・シモンチェリは、「もじゃもじゃのヒト」だけど。
さて、今期、ロッシが絶不調である。
いや、それはきっと正確ではなくて、成績が悪い、が正しいのだろう。
彼はホンダ、ヤマハとワークスチームを渡り歩いて、今年から母国イタリアのドゥカティに移った。
もちろんイタリアでは大騒ぎだ。
『王者の帰還』として、ドゥカティは売上も株価も大きく伸びたほど。
なのに、今期は14戦して3位が最高。それも一度だけ。
ランキングは6位に沈んでいる。同僚のニッキー・ヘイデンが7位で、ドゥカティはさんざんだ。
原因は、なんだろう?
さまざまな分析がなされているが、今のところの結論は、
・ドゥカティ マシンの生来のハンドリングの難しさ
・新フレーム開発の失敗(カーボン製)
・ドゥカティマシンの特性と、ロッシの走法のアンマッチ
とされている。
要はライダーたちでなく、マシンのせいだと。
一方、2011年のチャンピオンとなりそうなのが、ホンダのケーシー・ストーナー(Casey Stoner)だ。
14戦して8勝。表彰台を逃したのは、ロッシにぶつけられてリタイアした1度だけという安定ぶりだ。
追いすがる前年チャンピオンのロレンソとは59ポイント差。おそらく逃げ切るだろう。
さて、ホンダ・ヤマハからドゥカティに移って困っているバレンティーノ・ロッシと、ドゥカティからホンダに移って絶好調なケーシー・ストーナーの話であるがいきなり話は核心に入る。
ジャーナリストがストーナーに謝罪した、というのである。
テレビ解説の宮城光氏の話である。
昨年、ストーナーはドゥカティのハンドリングに問題があると言っていた。
ジャーナリストたちは「成績不振の言い訳だ」と取り合わなかった。
ストーナーはそれでも3勝をあげ、ポジションも年間4位を維持した。
今期、ロッシがドゥカティに苦しみ、同じくハンドリングに問題ありと言っている。
「キミの言っていたことを取り上げなかったのは間違いだった」とそのジャーナリストはストーナーに謝ったという。
ストーナーはホンダに移籍後、テスト走行でこう発言していた。
「ドゥカティとホンダを比べることはできない。まったく別物だから」
「ただとにかく、ホンダはスムーズだ。こんなにスムーズに操作できるのは驚きだ」
と。彼は今、最強の武器を得て、キャリアの頂点を疾走している。
時速340kmで。
彼の芸術的に美しいライディングを、しばらくは嘆息とともに見つめよう。
王者ロッシは、これでは終われない。
彼の価値はそのライディングだけでなく、マシンの開発能力にもある。
これまで、ホンダを、そして移籍直後からヤマハを、チャンピオンマシンにしてきた。
的確に問題を伝え、方向性を出す。
ドゥカティでも、カーボン製のシャーシに異を唱え、アルミ製を導入させた。
エンジンも、年間6機という使用制限を超えてテストしている。
10秒後にピットスターというペナルティを覚悟してでも。
今期中にそれらが奏功する保証はまったくないが、太陽王の沽券にかけてのマシン開発作業がレース上で進められている。
これもまた楽しみだ。
Rossi 赤と、Stoner 石を投げるヒト。
イタリアと、オーストラリアの至宝たちの戦いは続く。
おお、ロレンソとペドロサも忘れてはいけない。他クラスを席巻するスペイン人ライダーの頂点だ。
今年もあと4戦。熱きバトルを期待する。