2011年9月27日

ヒトが集うデザイン

箱もの行政という表現がある。 
箱(建物や建造物)だけつくって中身がない、初期投資だけして運営・メンテに手が回らない・・・。 

そんな公共投資のことを揶揄した言葉だ。 
日本中に、使われない○○ホールや××館は山ほどある。 
大抵は国の補助金がたんとつくから自治体は自分たちのお金だと思わない。 
ムダのし放題である。ああ、情けない・・・。 

そんな中でも、光る公共建築はある。 
そしてそれらは、確実に「ヒトが集う」場所となっている。 

いや、結果としての集客ではなく、最初から「ヒトが集う」とは何かを考え抜いているからこそのデザインだ。 
そして、デザインというものが、それを実現する力のあるものなのだ、ということを教えてくれる。 


ケース1:せんだいメディアテーク 

2001年、伊東豊雄の設計。 
外観は全面ガラス張りで、しかも床が極端に薄い。
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この建物は内部にチューブ上の構造が13本あり、それが建物を支え、配管を担っている。 
結果としてフロアには通常の柱が一切なく、広々とした有機的空間がつくり出されている。 
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この建物そのものが、ヒトが集う森であり、林なのだ。 

だからこそ、床は薄くあって欲しかった。チューブ(木の幹)を中核とするために。 
地元の造船会社である高橋工業の力を借りて、わずか41cm厚の床が実現した。 

今、せんだいメディアテークは、「町のリビング」のような場となっている、という。 

(今回の東日本大震災で被災したが、大きな被害はなく2ヶ月後には再開した) 


ケース2:馬見原橋(まみはらばし、熊本県) 

1995年、青木淳の設計。 
上下二重、唇の形をした橋。下橋が歩行者専用で幅7.5mの板張りのフロア。 

下橋の上には自動車等が通る幅5.8mの上橋があり、下橋への屋根ともなっている。
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つまり、下橋は長さ38m、幅6mの宴会場でもあるのだ。 

もともとの地元の要望は「人目を惹くモニュメント的なもの」だった。 
しかし建築家はそれを否定し、地元のヒトが集う場所としての橋、を提案した。 
大手設計事務所から独立したばかりの建築家の、勝負だった。 

彼はなんとかかんとか説得に成功し、馬見原橋は実現した。地元のための橋として。 

そして今、橋はふだんの憩いの場所として、そして地元のイベント会場として、ヒトを集めている。 
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優れたデザインは、ヒトを集められる。 
問題は、それを実現するための技術であり、決断なのだ。

2011年9月25日

閑話休題:おはぎ事件

私は、甘いものが結構好きである。

大判焼きや鯛焼き、豆餅におはぎ。
秋はおはぎの季節である。

昨晩、1人で食事をしたのだが、お弁当とともに、おはぎ(3つ入り270円)を買って帰った。
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食後、きなことごまおはぎを食べ、最後の1個は置いておいた。


深夜、今年いっぱいで撤退する「ZED」と夜のTDLを楽しんだ娘たちが帰ってきたのだが、その直前に弟家族もお散歩のついでに立ち寄り、わらわらしていた。

彼らが帰ったあと、おはぎを食べようと思ったら、知らぬ間に半分になっているではないか!

犯人は誰だ!?
そういえばさっき、三女が台所で挙動不審だった!


親のベッドで寝ていた三女に尋問。
「おはぎ食べたでしょ」

「うん」
「3つのうち1つだけ残ってるから、これを買ったひとは、きっと一番好きなのを残したんだろうな~、って思った」
「でも、そのひとはもう2つも食べたんだから、いいか!っと思って食べた」

一理あるね。うん。


「だけど、そのひとってお父さんしかいないでしょ!」

「う~ん、考えてみればそうだねえ」


考えてみれば、じゃな~いい。
黙って食べたから、久々に、コチョコチョの刑。

赤と石の聖戦 MotoGP

三谷家で、ロッシと言えば?
ロッシ。メッシじゃないですよ。

そう、それはもちろんGPライダーのバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi)

間違いなく史上最高のライダーで、太陽王とすら称される。
バイク界の最高峰クラスで7度の世界チャンピオンとなり、通算勝利数も100を超える。

陽気で職人なイタリア人は、わが家の娘たちにもかなり人気である。
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私はケーブルテレビのG+で、世界選手権全戦を全クラス観戦している。
毎回、延べ約4時間。
録画なので飛ばすときもあるが、大体は食事中とかにつけっぱなしにして、全部見る。
125cc、Moto2、MotoGPと、3レースだ。

なので娘たちも
バレンティーノ・ロッシとか、ホルヘ・ロレンソとかダニィ・ペドロサとかの名前を言えたりする。
長身で攻撃的で髪の毛パンクのマルコ・シモンチェリは、「もじゃもじゃのヒト」だけど。

さて、今期、ロッシが絶不調である。
いや、それはきっと正確ではなくて、成績が悪い、が正しいのだろう。

彼はホンダ、ヤマハとワークスチームを渡り歩いて、今年から母国イタリアのドゥカティに移った。
もちろんイタリアでは大騒ぎだ。
『王者の帰還』として、ドゥカティは売上も株価も大きく伸びたほど。

なのに、今期は14戦して3位が最高。それも一度だけ。
ランキングは6位に沈んでいる。同僚のニッキー・ヘイデンが7位で、ドゥカティはさんざんだ。

原因は、なんだろう?

さまざまな分析がなされているが、今のところの結論は、
・ドゥカティ マシンの生来のハンドリングの難しさ
・新フレーム開発の失敗(カーボン製)
・ドゥカティマシンの特性と、ロッシの走法のアンマッチ
とされている。

要はライダーたちでなく、マシンのせいだと。

一方、2011年のチャンピオンとなりそうなのが、ホンダのケーシー・ストーナー(Casey Stoner)だ。
14戦して8勝。表彰台を逃したのは、ロッシにぶつけられてリタイアした1度だけという安定ぶりだ。
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追いすがる前年チャンピオンのロレンソとは59ポイント差。おそらく逃げ切るだろう。


さて、ホンダ・ヤマハからドゥカティに移って困っているバレンティーノ・ロッシと、ドゥカティからホンダに移って絶好調なケーシー・ストーナーの話であるがいきなり話は核心に入る。

ジャーナリストがストーナーに謝罪した、というのである。
テレビ解説の宮城光氏の話である。

昨年、ストーナーはドゥカティのハンドリングに問題があると言っていた。
ジャーナリストたちは「成績不振の言い訳だ」と取り合わなかった。
ストーナーはそれでも3勝をあげ、ポジションも年間4位を維持した。
今期、ロッシがドゥカティに苦しみ、同じくハンドリングに問題ありと言っている。

「キミの言っていたことを取り上げなかったのは間違いだった」とそのジャーナリストはストーナーに謝ったという。

ストーナーはホンダに移籍後、テスト走行でこう発言していた。
「ドゥカティとホンダを比べることはできない。まったく別物だから」
「ただとにかく、ホンダはスムーズだ。こんなにスムーズに操作できるのは驚きだ」

と。彼は今、最強の武器を得て、キャリアの頂点を疾走している。
時速340kmで。
彼の芸術的に美しいライディングを、しばらくは嘆息とともに見つめよう。
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王者ロッシは、これでは終われない。
彼の価値はそのライディングだけでなく、マシンの開発能力にもある。

これまで、ホンダを、そして移籍直後からヤマハを、チャンピオンマシンにしてきた。
的確に問題を伝え、方向性を出す。

ドゥカティでも、カーボン製のシャーシに異を唱え、アルミ製を導入させた。
エンジンも、年間6機という使用制限を超えてテストしている。
10秒後にピットスターというペナルティを覚悟してでも。
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今期中にそれらが奏功する保証はまったくないが、太陽王の沽券にかけてのマシン開発作業がレース上で進められている。

これもまた楽しみだ。


Rossi 赤と、Stoner 石を投げるヒト。
イタリアと、オーストラリアの至宝たちの戦いは続く。

おお、ロレンソとペドロサも忘れてはいけない。他クラスを席巻するスペイン人ライダーの頂点だ。
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今年もあと4戦。熱きバトルを期待する。
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2011年9月22日

9/21長岡市 旭岡中にて~中2授業編

昨日は一日、長岡市。今朝新幹線で帰ってきた。
台風がちょっと?心配だったので予定より1本早く=1時間早く、上越新幹線に乗り12時前に長岡着。

駅でお昼を食べてから、旭岡中へと向かう。
まずは午後、生徒たちへの授業だ。5.6限をいただいて「決める力」をやった。

「サバイバル」をやったが、中2全員なので、約90名プラス先生チームで20チーム。
なかなか壮観である。(菅原校長先生も参加~)
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5分で答えよう!相談はなしだよ。できたら今度は7分でチームで「決める」だ!
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1回やって結果を評価して、解説をして、でもそれでは終わらない。
さあ、もう一回だ。
学びは即活かして、くり返さないと技にならない!


最後に、結構詳しく「子育て論」をやった。子どもたち相手にやるのは珍しい。
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・決めるって捨てるコト。でもみんなそれが怖いんだ
・だから必要なのは実はヒマと貧乏とお手伝い

・三谷家はお手伝い至上主義だ!
・三谷家の娘たちはこんな風に育てられてきた

・私自身はこんな子どもだった
・ある日、大人になった。それは、家に落ちているゴミを拾ったとき

そんな話を30分ほど。
本当はちょっとだけのつもりだったが、娘たちの話をして始めたら、なんだかみんなが真剣に。
すごく集中して聴いているのがわかる。

なぜかはわからないけれど、それなら詳しく話しましょう。


ノンストップの2時間弱。質疑応答はやらなかったが、フィードバックを直後にみんなに書いてもらった。
曰く

「決めるって大変なんですね。決めることは捨てるコト、を忘れずにやってみます!」

「2回目は話し合いも少し上手になってうれしかった」

「私は自分で決めるのが嫌いで、あいまいにするかみんなに合わせてきました。でもこれからは自分で決められるよう頑張ってみます」


今回みなに響いた言葉は
「決めることは捨てること」と「価値観」だった。

その驚きを、忘れないで。そして、決める練習を、続けて欲しいな。

サバイバルの答えは、みんななかなかだった。半分のチームはちゃんと割り切りができていたし、点数もよかった。でも、話し合い方、はまだまだだ。「価値観」「戦略(方向性)」から決める、だよ。


夕方は地域の保護者・教職員さん向け講演。
の続編でもある。さてさて、どうなったでしょうか~。

2011年9月20日

最大の強みを、あえて手放す

昔、こんな思考実験をしたことがある。

最大の強みを手放して、戦略を立てよう。
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たとえば、アクセンチュアの最大の強みは「統合性」

他の会計系コンサルティング会社が各国でバラバラの運営しかできなかった時代に、Global One Firmを実現していた。
どの国で得たノウハウ(失敗も成功も)でも、瞬時に世界中でシェアされる。
ナレッジマネジメントシステムを使って、ヒトを派遣して、そして、メソドロジーに落として。

その強みを捨てる。
それは戦略に大きな自由度をもたらすことになる。

つまり組織をバラバラにしてもいいのだ。

思考実験だから、どうせなら極端にやろう。
考えたのはこんな戦略。

アクセンチュアの2番目の強みは人材。営業力もある強力なパートナーたちが世界に何千人もいる。
これを最大限に活かすために、一人1億円ずつ与えて、5年間放流する。
10人に1人、成功すればいい。
100人に1人、大成功すれば、いい。
5年後再合体したとき、いったいどんな新しいビジネスやノウハウが、組織には獲得されるのか!

もちろん、再合体できるかどうかは、問題だけどね。
名付けて「パートナー放流戦略」


明日は長岡市で授業と講演。
旭岡中学2年生向けの授業と、保護者、教職員向けの「地域連携フォーラム」での講演だ。

前者は「サバイバル」で決める力演習を90分かけてやる。
後者はどうしようか。

長岡市は「お手伝い運動」を市全体で推進されている。なので、依頼も「お手伝い至上主義でいこう!」についてである。
それはいい。

でも、いつもは必ず「発想力演習」か「決める力演習(サバイバル)」を前半にくっつける。
そして、後半、「生きる力」のお話しをする。
多くの保護者も、教員のみなさんも、あまり受けたことがないビジネススキル演習なので、非常に満足度は高い。
参加型のものなので、チームになった者同士が互いに知り合いになれることもGood。

この「ビジネススキル演習」は、元コンサルタントである私の、最大の強みと言ってよい。


でも今回は、演習をやらないことにする。
昨日の夜、そう決めた。

その強みを捨てて、「お手伝いと放牧型共育」の話だけで90分やってみる。
「お手伝い」に関心の高い長岡市だから、ということもある。
強みを捨てることで何が見えるか、見てみたい、というのもある。

弱みを強みに変える!ほど過激ではないけれど、強みに頼らないことで、自分の幅が広がる。
そのための「最大の強みを捨てる作戦」だ。


プレゼンテーションの準備は昨晩したけれど、どう運営すべきか、今晩もう一度、じっくり考えてみよう。
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